天平の甍(井上靖)
井上靖の本を始めた読んだ。本屋で何気なく手にした本だが面白かった。この小説は天平の昔に遣唐使として中国にわたった若き僧たちの苦労の物語である。当時は日本海を渡って中国に行くというのがそもそも命がけ。失敗して海の藻屑になった人は何人もいる。そういう中であえて中国に行って仏教の勉強をして高僧を日本に連れて帰る使命を帯びて命がけで渡航する。唐に入ってからも生活に慣れるまでに時間もかかり、書物を読んで写経をして知識を得るにも時間がかかり、なかなか成果も上がらない僧もいる。主人公の一人普照も唐に渡って20年、30年も過し、悩む。そして、帰国しようと考えてから2度の航海に失敗する。最初の航海を試みてから10年目に初めて日本に買えることに成功する。そして奈良の唐招提寺の鑑真を連れて帰る。涙ぐましい努力である。渡航は途中で高波に何度も襲われ、普照の同僚が何十年もかけて写経した経典の数々を海に捨てざるをえなかったり経典を積んだ船が難破して経典を失ってしまうことも度々・・・ 現代のコピーやメールの発達した時代では考えられないことだが自分の人生をかけてやってきたことが脆くも崩壊する。そんな時代に生きていた人たちの悩みや苦労が手に取るように伝わってくる。今の時代に生きる幸せを噛締める一冊になりました。 お勧め度 ★★★☆(3.5)
|
カテゴリ
タグ
最新の記事
以前の記事
2012年 05月
2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月
お気に入りブログ
最新のコメント
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
ブログパーツ
ファン
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||